【仮想通貨の入門書】「最新 いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン」の感想

本の感想
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本記事は仮想通貨へ興味のある方に、入門書として最適な本の1冊だと感じた本を紹介します。

仮想通貨の本がたくさんあるけど、素人や初心者でも分かる本が欲しいという人には参考になると思います。

本書を読んだきっかけ

仮想通貨に手を出していいか迷っていた私の悩みは、ホリエモンの本を読むことで解消できた。

仮想通貨に興味が湧いた私はより知識を得たいと思い、仮想通貨に関連した仕事を実際にしている人が書いた初心者に分かりやすい本が読みたいと考えるようになった。

調べていると、コインチェックという仮想通貨取引所の執行役員である「大塚雄介」さんが書いた
「最新 いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン」に出会った。

本記事はこの本を読んでいて印象に残った所を紹介したいと思う。

読んで印象に残った所

ビットコインについて非常に分かりやすく解説

仮想通貨と聞けば皆さん何を思い浮かべるだろうか?
ビットコインが真っ先に浮かぶのではないだろうか。

ではビットコインってそもそも何?、と聞かれて答えられる人は一般人では中々いないと思う。

本書ではビットコインに使われている新しい技術「ブロックチェーン」の説明や、現金や電子マネー、クレジットカードの違いを分かりやすく解説している。

仮想通貨が儲かりそう、と思って知識ゼロでも仮想通貨の購入に踏み切る人も中にはいると思う。

ただ私は慎重な性格なため仮想通貨がどんな物なのか、どんな仕組みなのか、将来性は本当にあるかなどをちゃんと検討した上でないと一歩を踏み出せなかった。

本書はそんな疑問に一通り答えてくれており、慎重な初心者の私には非常にありがたかったです。

仮想通貨の普及をインターネットの普及の歴史で説明

仮想通貨と聞くと、一時期盛り上がった仮想通貨バブルを思い浮かべる人もいると思う。
時期で言えば2017年、2021年に発生した。

メディアから流れる情報を聞く限りではバブルの一時期的な盛り上がりを取り上げることはあっても、長期的な視点で解説している情報に触れたことがなかった

そのため私はバブルの短期的な伸びよりも、長期的な伸びに焦点をあてている本書に非常に興味が湧いた。

本書では仮想通貨の普及する未来を、現在は当たり前のようにあるインターネットが普及するまでの歴史に例えて解説している。

西暦概要
1969年インターネットが米国にて誕生
1995年(約25年後)Windows95が発売されインターネットが普及し始める
2020年(約50年後)ネットなしでは1日を生活できないほどのインフラまでの成長

こうしてみるとなるほど、インターネット自体は50年ほど前に生まれていたが、25年かけて一般普及できる段階まで成長し、さらに25年かけてインフラにまで成長したことが理解できる。

インターネットの歴史を調べると、インターネットの起源は大学や研究機関で使われる論文や情報交換に使われており、非営利目的として始まったことが分かった。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd111120.html

インターネットを作った人達は、50年後には全世界で毎日のように使われることを想定していただろうか?

おそらく、夢にも思わなかったことだろう。
大学や研究機関の間で使えたらいいな、程度の思いではなかったのだろうか。

これになぞらえてみると仮想通貨の未来はどのようになっているだろうか、私個人の考えを整理して以下の表にしてみた。

西暦概要
2009年ビットコイン誕生
2023年(14年後)GameFI(ゲームをして仮想通貨を稼ぐ)の普及、
ブロックチェーンアプリの基礎が固まる
2035年(約25年後)(ブロックチェーンアプリが普及する?)
2060年(約50年後)(ブロックチェーンアプリがないと社会が回らないほどのインフラに成長、
ビットコインの価格変動が安定し米ドルや日本円のように使われる?)

ビットコインの価格変動は少なくとも10~15年、長ければ20年続くと私は考えている。
その都度バブルも何回かは起きるのではないだろうか。

しかし30年、40年、50年とビットコインが使われ続けるのだとしたら、いずれはビットコインの価格は安定し米ドルや日本円のように使われるようになる可能性は十分にあると思う。

そこから先の未来は正直想像がつかない。

仮に50年生きていたら私は爺さんになっているので、50年後にどんな世界が待っているのかを楽しみに待っておこうと思う。

コインチェック事件の対応

「コインチェック事件」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれない。

前の記事でも少し書いたことだが、2018/1に仮想通貨取引所のコインチェックがハッキングされ580億円相当の仮想通貨ネム(NEM)が流出した事件のことだ。

当時は仮想通貨において史上最大のハッキング被害額であったため、繰り返しマスコミが放送していたと思う。

被害額は大層な金額であったが、問題はなぜハッキングが起きてしまったのかということである。

本書を読むと、仮想通貨に使われるブロックチェーンという新しい技術に問題は無く、管理するセキュリティが不十分だったことが分か

セキュリティで何がいけなかったかというと、仮想通貨ネム(NEM)をネットに接続したまま保存する「ホットウォレット」(スマホを常に5Gで接続するイメージ)で管理していたため、ネット経由でハッキングされてしまったようだ。

ビットコインに関してはネットから切り離して保存する「コールドウォレット」(スマホを機内モードにするイメージ)で保存していたため、ビットコインはハッキングが起きなかった。

また、この事件を反省して仮想通貨取引所では以下のルールが義務化された。

・取引所の仮想通貨は全体の95%以上をコールドウォレットで管理
・ホットウォレットで運用するのは全体の5%が上限
・ホットウォレットと同額の仮想通貨を取引所自体がコールドウォレットで保持

このルールを見る限り、仮に取引所が経営破綻したとしても預けている資産は帰ってきそうだ。

実際、去年2022に経営破綻した取引所FTXの日本法人、FTX Japanでは無事に資産が戻ってきている。

管理体制が不十分なことによりハッキングされたのは大きな失敗であったが、その失敗と向き合いしっかりとしたルールを整備した点について私は評価したいと思う。

イーサリアムとスマートコントラクト

ビットコインから話は少し離れるが、とても勉強になったことがある。

仮想通貨と聞けばビットコイン、実際に仮想通貨の時価総額No.1はビットコインだ。
では、No.2は何?と言われて一般人で分かる人は少ないのではないだろうか。

答えはイーサリアム(通貨単位はETH)である。

ビットコインとイーサリアムの2つだけで、全ての仮想通貨を合わせた時価総額の半分以上を占めると言えば、スケールの大きさが少し伝わると思う。

しかもイーサリアムはビットコインと違い、独自の機能を持っている。
それが「スマートコントラクト」だ。

ビットコインの機能を簡単に言えば、「改竄が不可能な全世界共通のネット銀行」であるが
イーサリアムはそれに加えて「契約の自動化」まで可能な点が異なる。

例で言えば、賃貸のアパート契約が分かりやすいと思う。

アパート契約に際しては、家賃が払われなかった場合を想定して、連帯保証人の登録が必要な場面がある。

問題は連帯保証人を登録したとしても、家賃が払われなかった時にその連帯保証人が支払えるかどうかは実際には分からないことだ。

連帯保証人自体が夜逃げするかもしれないし、払えるお金を持っていないかもしれない。

スマートコントラクトの場合、アパート契約の時点で以下の条件をネットを介して決めることができる。
「家賃が支払われなかったら、家賃5万円をA社から引き落とす。
 なお、A社から引き落とした5万円はアパート契約者名義の借金とする」

この契約を設定すれば、万が一家賃滞納が発生した場合でも、人を介さずにすべてが自動執行され家賃の受け渡しができる

連帯保証人はもちろん、手続する人も不要になるため人件費の大幅削減も可能になるだろう。

本書ではスマートコントラクトの基本を述べたうえで、派生した技術も紹介されている。

DAO(ダオ)、DeFi(ディーファイ)、NFT(エヌエフティー)などなど。

この記事では書ききれないので、詳細は本書を読むことをお勧めします。

まとめ:仮想通貨に興味あるけど仕組みや将来性は大丈夫? という人にオススメ!

本書は以下のような方にオススメです ↓

・仮想通貨に興味あるけど、仕組みや将来性が気になって購入に迷っている
・仮想通貨に関連した仕事を実際にしている人が書いた、初心者に分かりやすい本が読みたい